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「金利のある世界」を賢く生き抜く:日銀利上げ後の住宅ローン選びガイド

諸費用/不動産/お金/ガイド/

小林 裕樹

筆者 小林 裕樹

不動産キャリア13年

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住宅ローン市場に起きた「歴史的転換」

これまでの日本は、長く「金利がほぼゼロ」の状態が続いてきました。

しかし、日本銀行(日銀)の利上げによって、私たちは今、「金利のある世界」

という新しいステージに立っています。

この変化は、マイホームを検討している方にとって非常に大きなインパクトを与えています。

住宅ローン選びの前提が次のように変わったからです。


  • 「どこで借りても同じ低金利」の時代の終焉

  • 銀行の経営体力によって、金利の上げ幅やタイミングにハッキリと差が出るようになりました。

  • 「ネット銀行一強」時代の終わり

  • これまで圧倒的に有利だったネット銀行以外の選択肢が、再び強力なライバルとして浮上しています。
  • れからは「金利の数字」だけを見るのではなく、「なぜその銀行は低金利を実現できるのか?」


    という裏側の仕組みまで知ることが、損をしないための絶対条件です。

   「金利の数字」だけを見るのではなく、「なぜその銀行は低金利を実現できるのか?」

  その本質を見抜く力も必要になってくるのではないでしょう。


金融機関の勢力図変化:ネット銀行の優位性が揺らぐ理由

これまで、店舗を持たないことでコストを抑えた「ネット銀行」は、圧倒的な低金利で市場を独占

してきました。しかし、日銀の利上げを境に、その勢力図が激変しています。

住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を運営するMFSのデータによると、

申込シェアに驚くべき変化が現れています。


  • ネット銀行のシェアが急落:

  • 2024年3月には約8割(80%)を占めていたシェアが、8月には41.5%まで半分近くに落ち込みました。

  • メガバンク・地方銀行の猛追: 

  • ネット銀行から流れた利用者は、地方銀行(37.7%)メガバンク(19.9%)へと分散しています。
  • この逆転現象の鍵を握るのが、銀行の「預金の調達コスト(お金を集める費用)」です。



【中学生でもわかる解説:預金の調達コストとは?】 

銀行は、私たちから預かったお金(預金)を「仕入れて」、それを住宅ローンとして「売る」ことで

商売をしています。 メガバンクや地方銀行は、多くの人の「給与振込口座」になっているため、

放っておいても安い費用でお金が集まります。一方、ネット銀行は市場から高い金利でお金を調達

しなければならないことが多いため、利上げが起きるとすぐにローン金利を上げざるを得ないのです。

金融機関グループ別の比較(2024年8月時点)


金融機関グループ
8月時点の平均変動金利
現在の立ち位置(優位性)
メガバンク
1.08%
豊富な預金基盤を背景に、現在最も低い金利を提示。今、最も勢いがある。
ネット銀行
1.21%
安定した預金基盤が弱く、利上げの影響を直接受けやすい。金利メリットが薄れつつある。
地方銀行
1.23%
ネット銀行に肉薄する金利を提示。地域密着の強みに加え、利上げ局面での粘り強さを見せる。

各銀行の金利差が縮まり、メガバンクが最安値圏に躍り出るという逆転現象が起きている今、

次に私たちが直面するのは「変動」か「固定」かという究極の選択です。


変動金利 vs 固定金利:どっちを選ぶべきか?

「これから金利が上がるなら、今のうちに固定金利にしたほうがいいのでは?」

と不安になる方も多いでしょう。ここで重要になるのが、それぞれの金利が決まる仕組みの違いです。

  • 変動金利: 「短期金利」に連動。日銀が政策金利(銀行同士が貸し借りする金利)を上げると上昇。

  • 固定金利: 「長期金利」に連動。将来の景気予測などを反映して動きます。

専門家は、当面の間は「変動金利」が有利であるという見方を示しています。

その理由は、現在の変動金利と固定金利の間に「巨大な差」があるからです。

「変動金利と固定金利の差が逆転するには、0.25%の利上げが9回必要だ」 
(MFS取締役・塩沢崇氏の分析)

つまり、合計2.25%もの大幅な利上げが短期間で行われない限り、変動金利の方が支払額は少なくて

済むという計算です。また、みずほ総合研究所の服部直樹氏は、日銀の利上げによって物価上昇が

抑えられれば、むしろ長期金利(固定金利の目安)の上昇圧力は和らいでいくと予測しています。

あなたにぴったりの金利タイプは?

  1. 変動金利を選ぶべき人

    • 今の圧倒的な低金利メリットを最大限に受け、総支払額を抑えたい人。

    • 「利上げ9回分」という巨大なクッションがあるうちに、元金をどんどん減らしたい人。

    • 万が一金利が上がっても、家計に返済額を調整できる余裕がある人。


  2. 固定金利を選ぶべき人

    • 「金利が上がったらどうしよう」という不安を一切なくし、精神的な安定を得たい人。

    • 将来の返済額を1円単位まで確定させて、家計管理をガチガチに固めたい人。

    • (※長期金利の上昇圧力が和らぐ兆しがあるため、慌てて高い金利で契約せず、動向を注視しましょう)

金利の動向と仕組みを理解したところで、最後に「後悔しないための具体的な行動指針」をお伝えします。

後悔しないマイホーム購入のために

「金利のある世界」では、かつての「ネット銀行が一番安い」という常識は一度捨ててください。

今、最も注目すべきは、安定してお金を集める力(預金調達力)があり、金利上昇に対して「体力」

を持っている銀行です。

これからの住宅ローン選びで後悔しないための、「3つの鉄則」を心に留めておいてください。

マイホーム購入者のための3つの鉄則


  • 「預金調達力(銀行の体力)」をチェックする

    • 給与振込口座として選ばれているメガバンクや地方銀行は、利上げ局面でも金利が上がりにくい

    • 「粘り強さ」を持っています。


  •  ネット銀行だけに絞らず、メガバンクも必ず比較に入れる

    • 現在の実質的な最安値圏はメガバンクに移行しています。

    • 「ネット=安い」という思い込みを捨てて、幅広く見積もりを取りましょう。


  • 「3ヶ月に1回」は、最新の金利ニュースをキャッチアップする

    • 一度借りたら終わりではありません。「金利のある世界」では市場が常に動いています。

    • 四半期に一度は自分の銀行と他行の金利を比較する習慣を持ちましょう。


金利のある世界は、正しく理解すれば決して怖いものではありません。

仕組みを味方につけて、あなたの人生にとって最適な住宅ローンを選び抜きましょう。



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