
「反省します」はNG?豊田章男氏が明かす「仕事ができる人」と「失敗を繰り返す人」の決定的な違い
職場や業務でミスを指摘されたとき、言い訳をせずに素直に頭を下げ、
「反省します」「次からは気をつけます」と答える人がいます。
上司や周囲から見ても、反省の態度を見せる部下は素直で扱いやすく
感じられるかもしれません。

しかし、トヨタ自動車会長の豊田章男氏は、このように指摘を受けた場面で
社員が繰り返し口にする「ある言葉」を明確なNGワードとして挙げています。
一見まじめで悪気のないこの返答の何が問題なのでしょうか。
豊田章男氏がNGワードにした「2文字の口グセ」
2021年11月に開催された「第56回オールトヨタTQM大会 特別企画
『品質の豊田章男塾』」において、豊田氏は日頃感じているNGワードについて言及しました。
豊田氏によると、何か問題や改善点を指摘した際に、社内から繰り返し返ってくる言葉が存在します。
反論や言い訳ではなく、本人も悪かったと思って発しているその言葉こそが、「反省」という2文字です。
たとえば、見積書の作成において前回のファイルを複製し、品名や数量は変更したものの単価欄の一部を
修正し忘れて古い単価のまま送信してしまうようなミスがあったとします。
指摘を受けた社員は金額を直して再送し、「次は間違えないようにしよう」と心の中で決意します。
しかし、この時にただ「反省」するだけで終わってしまう姿勢こそが問題視されているのです 。

なぜ「反省(気をつける)」だけでは人は変われないのか?
心理学の側面からも、「反省して気をつけよう」という決意だけでは行動が変わらないことが
科学的に証明されています。
心理学者のトーマス・ウェッブ(Thomas Webb)とパスカル・シーラン(Paschal Sheeran)が
2006年に発表した「行動する意図を変えれば、行動も変わるのか」という研究では、
47件の実験結果を分析しました。その結果、意識や意図の変化(効果量 d=0.66)に対して、
実際の行動の変化(効果量 d=0.36)は大幅に小さくなることが示されました。

つまり、「次からは気をつけよう」「今度こそ本気でやろう」と強く決意したとしても、
その気持ちがそのまま実際の行動変化につながるわけではありません。
職場においては、叱られた直後に声が小さくなったり、メモを取って何度もうなずいたりするため、
上司側も「しっかり伝わった」と錯覚しがちです。しかし、数日後に同じ業務を行う際、
作業手順そのものが変更されていなければ、結局は同じミスが繰り返されてしまいます。

「仕事ができる人」と「失敗を繰り返す人」の決定的な違い
仕事ができる人と、同じ指摘を何度も繰り返し受けてしまう人を分ける決定的な違いは、
「反省の深さ」ではなく「その後に何を変えたか」です。
気持ちや精神論で「次は気をつけます」と誓うのではなく、具体的にどのようなチェックフローや
作業手順、仕組みを変更したのかが重要になります。

具体的改善の例:
- 気持ちで対処する人(NGパターン):「次は見落とさないように、もっとしっかり確認します」と反省する。
- 仕組みで対処する人(OKパターン):前回の複製による入力漏れを防ぐため、入力必須項目にハイライトを
- かけるチェックリストを作成し、確認手順そのものを変更する。
「反省」を卒業し、仕組みを変える習慣へ
ミスや指摘を受けた際に必要なのは、声を小さくして「反省します」と頭を下げることではありません。
今日からミスをしてしまった時は、「反省します」という言葉を封印し、「次から具体的になどの手順・
仕組みに変更します」と答えられるビジネスパーソンを目指しましょう。
行動や仕組みを変えてこそ、本当の意味でミスを防ぎ、成長し続けることができるのです。

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