
【猛暑の家計に追い打ち】水道代「3割値上げ」の衝撃と、必死の節水に隠されたインフラ老朽化の現実
連日のように厳しい猛暑が続く中、電気代やガス代といった光熱費、さらには毎日の食費など、
相次ぐ物価高が私たちの家計を厳しく直撃しています。「これ以上、どこを削ればいいのか……」
とため息をつく日々ですが、今、さらなる「値上げの波」が私たちの暮らしに欠かせないライフラインを
襲っているのをご存じでしょうか。それは、「水道代の値上げ」です。
全国で相次ぐ水道代の値上げ。
今回は、今年の4月から水道料金が約31%値上げされた千葉県我孫子市の事例を通して、
一般家庭での切実な節水工夫と、値上げに踏み切らざるを得ないインフラの厳しい裏事情に迫ります。
1. 使用量を減らしたのに高くなる?「約31%値上げ」のリアルな衝撃
千葉県我孫子市では、2026年4月から水道料金がおよそ31%値上げされました。
市民からは「(夏は)水遊びをしたりとか暑いのでシャワーあびるとか、
(ひと月)約5000円だったのが6000円を超えるぐらい」
「これだけ物価高なので公共料金上げられるのはきつい」
といった困惑と悲鳴に近い声が上がっています。
市内で夫と2人の娘と暮らす4人家族の浦川さん一家も、
値上げの波に直面している家庭の一つです。 7月分の水道代の請求額を見た浦川さんは、
「思っていたより高くてびっくりしました」と驚きを隠せません。
請求額はひと月で約6000円。実は、浦川さん一家は値上げを知ってからコツコツと節水
を心がけており、使った水の量自体は去年の同じ時期に比べて減っていたのです。
それにもかかわらず、支払う料金は約700円も高くなっていました。
「頑張って使う量を減らしたのに、支払うお金は以前より高くなっている」という現実は、
家計にとって精神的にも大きな負担となっています。
2. 4歳の子どもも協力。涙ぐましい家庭での「節水大作戦」
少しでも家計への負担を減らそうと、浦川さん一家では毎日地道な節水対策が続けられています。
- 洗い物はこまめに止水:食器を洗う際は、水を出したままにせず「濡らして、1回水を止めて洗う」を徹底。
- 家族みんなで意識を共有:手を洗うときも水を出しっぱなしにしないよう、4歳になる娘さんも
- 「水もったいないよ」と言いながら自ら協力してくれています。
しかし、猛暑の中で最も切実なのが、子どもたちが大好きな「夏の水遊び(お庭プール)」です。
暑い日にプールを諦めさせるのは忍びない……。
そこで浦川さんが工夫しているのは、プールの回数を減らすのではなく、
「子どもにバレないように、去年よりも水の量を少しずつ減らして入れる」という方法です。
去年は気にせずたっぷりと使っていた噴水のおもちゃも、遊んでいないときはすぐに止めるように徹底しています。
「もっとお水をいっぱい出して遊ばせてあげたいけれど……」と葛藤しつつも、電気代やガス代、
食費もすべてが高騰している現在、浦川さんは「(節水は)しょうがないと思うけどきつい。
電気代もガス代も一番高くて食費もすごく高いので、今までと同じ生活はできないかな」と胸の内を明かします。
3. なぜ今値上げ?背景にある「浄水施設の老朽化」と数億円の壁
我孫子市が水道料金を値上げしたのは、実におよそ30年ぶりのことです。
なぜ、このタイミングで大幅な値上げに踏み切らざるを得なかったのでしょうか。
その最大の要因は、「浄水施設の深刻な老朽化」にあります。
普段私たちが何気なく使っている水道水を安定して届けるためには、
巨大な浄水設備や配水ポンプが24時間稼働し続けなければなりません。
しかし、我孫子市の水道局で使われている設備の中には、1992年製(およそ34年前)の
配水ポンプなど、長年の使用によって一部にさびや腐食が進行しているものが多く存在しています。
これらの老朽化した設備は、いつトラブルを起こして断水や水質悪化を招くか分かりません。
市民の「命の水」を絶対に切らさないためには、設備の更新(リプレイス)が絶対に不可欠です。
しかし、その更新にかかる費用は、ポンプ1台につき「数億円単位」という莫大なものです。
人口減少によって水道料金による収入(基本料金収入)が減り続ける中、これほど巨額の維持管理
・更新費用を賄うためには、基本となる水道料金そのものの改定をお願いせざるを得ないのが、
自治体や水道局が抱える切実な構造的課題なのです。
私たちの「水」と、これからのインフラのあり方
今回の我孫子市の事例は、決して一地方都市だけの問題ではありません。
高度経済成長期に一斉に整備された水道管や浄水施設は、今まさに全国一斉に耐用年数の限界
(老朽化)を迎えており、同じような水道代の値上げラッシュは全国の自治体で相次いでいます。
蛇口をひねればいつでも安く、きれいで安全な水が出てくる。
そんな当たり前だった日常を維持するためには、今、私たちは「インフラを支える応分の負担」という
厳しい現実に直面しています。
家計のやりくりと、命を守るインフラの維持。
この両立が難しい時代だからこそ、単なる「値上げへの不満」で終わらせず、
私たちが日々使っている水がどこから来て、どう守られているのかについて、
一人ひとりが関心を持ち続けることが大切なのかもしれません。


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