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オートロックだから安心は危険?マンションの「共連れ」侵入リスクと最新の顔認証防犯対策

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小林 裕樹

筆者 小林 裕樹

不動産キャリア13年

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身近に潜む「共連れ」という脅威

2025年8月20日、神戸市中央区のマンションで24歳の女性会社員が命を落とす

という、極めて痛ましい事件が発生しました。

このニュースには強い憤りと危機感を抱く方も多いのではないのでしょうか。

この事件で逮捕・起訴された被告(36歳)は、事件の2日前から職場の周辺で

「つきまとい」を繰り返していました。

そして犯行当日、被告がマンション内へ侵入するために用いた手口が、

解錠されたドアが閉まる前に背後から入り込む「共連れ」です。

「オートロックがあるから、部外者は簡単に入れないはず」

私たちが当たり前のように抱いているその安心感こそが、

実は不審者が最も狙いやすい「心の隙間」となっています。

事件から1年が経過した今、私たちはこの悲劇を教訓に、

マンション防犯の在り方を根本から見直さなければなりません。


データで見る居住者の不安:防犯の死角はどこにあるか

オートロック付きマンションに住む人々の意識は、現在どのように変化しているのでしょうか。

パナソニックが2025年10月に実施した、全国のオートロック付きマンションで一人暮らしをする

男女800人を対象としたアンケート結果を見てみましょう。


マンション生活において不安に感じること

第1位:「共連れ」による不審者の侵入(47.1%)

実に半数近くの居住者が、自分が入館する際に背後に誰かが潜んでいるのではないか

という不安を抱えています。なぜ、これほどまでに共連れが恐れられるのでしょうか。

それは、オートロックというシステムの構造的な限界に起因します。

オートロックは「入居者が開ける」という動作をトリガーに動きますが、

一度開いた扉は一定時間、誰に対しても開放されてしまいます。

特に日本人の気質として「後ろに人がいるのに扉を閉めるのは失礼ではないか」という

心理が働きやすく、善意が仇となって不審者を招き入れてしまうケースが後を絶ちません。

この構造的な死角をどう埋めるべきか、今、最新のテクノロジーがその答えを提示し始めています。


3. 進化する対策テクノロジー:顔認証による「共連れ検知」の最前線

現在、AIと顔認証を組み合わせることで、「共連れ」を機械の目で確実に捉え、

未然に防ぐシステムが導入され始めています。主要な企業の取り組みを比較してみましょう。


導入企業/団体名
システムの概要(顔認証・検知の仕組み)
具体的なアクション(アラート・通知内容)
導入・実施実績
阪急阪神不動産
カメラによる顔認証解錠時に、AIが登録外の人物の同時進入を検知する。
アラート音と共に「インターホンから訪問先へご連絡ください」と音声を流す。
兵庫県西宮市高松町の賃貸マンション(112戸)に本格導入。
セキュア(東京)
神戸の事件後、対策として開発。顔認証と連動し、共連れをリアルタイムで検知。
管理室および入居者の双方に対し、不審な進入があったことを即座に通知する。
兵庫県や東京都内など、全国約30か所のマンションに展開。

アドバイザーの視点:技術がもたらす「心理的障壁」


これらのシステムにおいて、特に阪急阪神不動産が採用している

「インターホンから連絡を促すアナウンス」は非常に理にかなっています。

  1. 匿名性の排除: 不審者は自分の存在を隠したいと考えますが、アナウンスは彼らに

  2. 「システムがあなたを認識した」と突きつけ、匿名性を奪います。

  3. 直接対決の回避: 居住者が不審者に直接注意するのは危険です。

  4. システムが代わりに声をかけることで、居住者は自然に「後ろに誰かいる」と気づき、

  5. エレベーターへの同乗を避けるといった回避行動を取れるようになります。

このように、テクノロジーは物理的な門番であると同時に、居住者の意識を研ぎ澄ます

「防犯の目」として機能します。しかし、技術を過信するのも禁物です。

次に、専門家が強調する「人の意識」の役割について触れておきましょう。

専門家の視点:技術と意識の「二段構え」で守る


元科学警察研究所犯罪予防研究室長であり、現在は滋賀大学で犯罪学を教える島田貴仁教授は、

最新技術の有効性を高く評価した上で、最も重要なのは「社会的なルールの定着」であると述べています。

島田教授の提言を、私たちが意識すべき防犯の核心としてまとめました。

  • アラートを「注意喚起の合図」として受け取る 顔認証システムによる検知は、

  • 居住者の防犯意識を「その瞬間」に引き上げるための装置として活用すべきである。

  • 「オートロックは1人ずつ」のルールを徹底する 管理者側が貼り紙等でルールを明文化し、

  • 住民間で「1人ずつ入るのが当たり前」という共通認識(社会的マナー)を育む。

  • システムを「使いこなす意識」を持つ 優れた技術も、居住者がそれを無視してしまえば意味がない。

  • アラートが鳴った際の行動指針を住民全員で共有することが重要。

専門家が指摘するように、防犯は「技術による検知」と「人の確かな意識」という

二段構えがあって初めて、真に強固なものとなるのです。

あなたの身を守るためのアクションプラン


最新の顔認証技術は私たちの暮らしを大きく変えてくれますが、

最終的に自分自身の安全を確定させるのは、日々の小さな習慣です。

今日からすぐに実行できる、防犯チェックリストを確認しましょう。


  1. 振り返る習慣を身につける
  2. :エントランスの自動ドアを通過する直前、必ず一度肩越しに背後を確認してください。

  3. エレベーター同乗を賢く避ける
  4. :背後に不審な気配を感じたら、エントランスの掲示板を見るふりをしてやり過ごすか、
  5.    一度ロビーを出る勇気を持ってください。

  6. 「1人ずつ入る」を自分から実践する
  7. :自分の後ろに人がいる場合、あえて一度ドアが閉まるのを待つ、あるいは会釈をして
  8. 「お先にどうぞ」と促すなど、安易な共連れを許さない姿勢を示しましょう。
  9. 「最新テクノロジーによる守り」×「一人ひとりの高い防犯意識」 


この二つの車輪が揃ったとき、マンションは真に安心できる「安住の地」となります。

あなたのその一歩が、自分と、そして同じ建物に住む大切な隣人たちを守ることにつながるのです。

物件情報を詳しくチェックしたい方は、こちらからご覧ください!

理想の住まいがきっと見つかります。

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