
【地方の危機】身近なガソリンスタンドが消えていく?10年で1,700社超が消滅した理由と街のリアル
「いつも使っていたガソリンスタンドが突然閉店してしまった……」
「最近、近所で給油できる場所を探すのに苦労するようになった」
そんな経験はありませんか?
実は今、全国でガソリンスタンド(SS)の倒産や廃業が急速に増えています。
単なる「お店の閉店」にとどまらず、地域の生活インフラそのものが揺らぐ事態になりつつあります。
今回は、帝国データバンクの最新データを交えながら、ガソリンスタンドが姿を消している背景と
私たちの生活への影響をわかりやすく解説します。
1. 倒産・廃業が過去10年で最多ペース!10年で1,700社超が消滅
2026年1〜8月のデータによると、ガソリンスタンド運営事業者の倒産は19件、
廃業は125件発生し、合計144件が市場から退出しました。
これは前年同期を上回るペースであり、1〜8月期としては過去10年で最も多い水準です。
年間を通して見ても5年連続の増加が見込まれており、年間で200件を超える可能性も出てきています。
過去10年間の累計では、なんと1,700社以上の事業者が消失してしまいました。
2. なぜ?「ガソリンだけでは儲からない」厳しいビジネス構造
ガソリンスタンドがこれほど追い詰められている最大の理由は、ガソリン販売の利益率の低さにあります。
実は、ガソリンを1L売ったところで得られる利益はわずか数円程度しかありません。
そのため、多くの店舗では車検や洗車、板金整備、レンタカーといった
「油外サービス(ガソリン以外の収益)」でなんとか利益を補っています。
しかし、現在の日本には次のような構造的な課題が重なっています。
- 燃料需要の減少:人口減少や高齢化に加え、省エネ性能の高いハイブリッド車(HV)や
- 電気自動車(EV)が普及したことで、ガソリン自体の需要が中長期的に減り続けています。
- 地方での需要限界:特に地方では人口減少により「洗車や車検」といった油外サービスを
- 利用する人自体が減っています。
- 「地域唯一」のジレンマ:需要が厳しくても「地域にここしか給油所がないから」と営業を継続せざるを得ず、
- 人件費や設備維持費などの固定費を賄えなくなって限界を迎えるケースが多発しています
3. 地方だけじゃない!首都圏でも「2割超が赤字」の現実
ガソリンスタンドの減少というと地方の問題と思われがちですが、都市部でも深刻な事態が進んでいます。
地域別の損益を見ると、地方に本社を置くSS事業者の赤字割合が最も高く「4社に1社(25%)」が
赤字という状況です。しかし、首都圏を拠点をとする事業者でも2割超が赤字に陥っています。
首都圏で経営が厳しい背景には、以下のような都市部特有の要因があります
- 激しい価格競争:セルフ式スタンドや大手チェーン、量販店との凄まじい価格競争
- コストの高騰:地価(賃料)や人件費の負担が大きい
- 都市部の車離れと電動化:車を所有しない世帯の増加や、EV・HVの普及率の高さが燃料需要の減少に
- 拍車をかけている
4. これからの展望:地域インフラを守るために
ガソリンスタンドは、自家用車への給油だけでなく、農作業車や灯油配達、さらには災害時の
緊急燃料供給など、地域生活を支える重要な拠点でもあります。
こうした状況を受け、経済産業省も過疎地などでガソリンスタンドを維持するため、選定した店舗を
集中支援する仕組みを模索し始めています。
しかし、地方での「軽EV」の本格普及や整備士などの深刻な人手不足、低収益構造など、
解決すべき課題は山積みです。
「地域の生活インフラとしての役割」と「持続可能な経営」をどう両立させるかが今まさに問われています。

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